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患者・団体
患者会にし・ひがし

小児病棟に「楽しく豊かな時間」を届けて
■にこにこトマト

病棟を巻き込んだ多彩なイベント

写真:大人たちと夢中になった墨遊び
大人たちと夢中になった墨遊びは、子どもたちの大切な思い出だ

「にこにこトマト(にこトマ)」は、1995年に京都大学付属病院小児科に発足したボランティアグループです。入院中の子どもとその付添家族へ、1週間に3〜5回の「楽しく豊かな時間」を届けています。メンバーは67人。うち35人が日常のお楽しみの会(定例会)に、6人が事務局に携わり、26人が事務的な補助をしたり通信物に寄稿したりしています。

定例会には「おはなしびっくり箱」「ママと一緒にチクチクパッチ」「どれみふぁ空色」「墨あそび」などの楽しい名前が付けられています。おはなしの会、手芸、工作、実験、音楽、子ども文庫(移動図書貸し出しサービス)など多くの種類があるので、子どもたちからは「今日はにこトマの『つくって遊ぼ』がある」と表現されます。

定例会以外には、事務局主催の特別行事が月2回程度あります。ゲストを呼んでのコンサートや催し、医療スタッフとともに病棟中を巻き込んでの夏祭りやハロウィンなどの準備もします。

小児病棟に入院中の子どもたちには小児がんや脳腫瘍、肝臓や心臓の病気など、難病を持つ子どもたちが多く、入院期間も長期にわたる場合が少なくありません。とくに学齢期以前の子どもたちは、壁に貼り出された予定表(=にこトマカレンダー)を見るのが日課で、「今日は2時からにこトマがあるから、早くリハビリに行きたい」など、生活の一部にしてくれているようです。

親をサポートして、子どもを勇気づける雰囲気を

子どもと大人の入院には、決定的な違いがあります。子どもたちは、毎日成長し続けているので、大人より何倍も濃い時間が必要です。病気があろうとなかろうと、成長を促す良質の刺激が不可欠です。しかし、病院の中には子どもの生活に配慮する人的時間のゆとりがほとんどありません。そのことは14年前、私が当時小学5年生の子どもが9カ月間にわたり、小児がんで京都大学付属病院の小児科に入院し、24時間付添う生活を経験したなかで知りえました。

あのときは医療スタッフが、子どもたちに遊びを提供しようとする努力が見られ、親としてほんとうにありがたく思っていました。けれど、超多忙で会がよく中止になりました。「それなら私の友人の『おはなしの会』はいかがでしょう」とイベントの手伝いを始めたのが、「にこトマ」の活動をするきっかけになったのです。

活動は会費制ではなく、カンパと助成金とバザー収入で運営されています。カンパ制は病気の子どもへの理解を広げるために、関心がない人の元にも思いが広げられる利点があります。

また、事務局は活動の要として、病院内外や「にこトマ」内のコーディネートを行い、通信発行(年間5〜6回発行。毎回1000部)や講演、講義、寄稿を通し、一般の人が病気の子どもたちに手を差しのべる具体的な方法を提示したり、ともに考えたりしてきました。

私もそうでしたが、誰でも家族の命に関わる問題が起きたら必死です。とくに子どもの場合、親は心痛で打ちひしがれて、子どもの体や心の成長についての問題はつい後回しになりがちです。その結果、元気になり退院した後で社会性がなく不適応を起こしたりしています。また、命に限りのある子どもなら、一生がつらい生活ばかりになってしまう危険性もあります。

「にこにこトマト」の活動は、病棟に「楽しく豊かな時間」を届けることですが、そんな時間に添えて、社会の多くの人々の「そばにいるよ。応援しているよ」という気持ちも一緒に伝えたいと、強く思っています。 (2007年06月号)


にこにこトマト
問い合わせ先:075(751)3005(京都大学病院庶務課内)

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喪失感を通し、生きる意味を探求
■びんご・生と死を考える会

写真:びんご・生と死を考える会の会員
いずれ誰もが迎える死につて学ぶ会員たち

「びんご・生と死を考える会」の会員は、生と死について共に「学ぶ・考え・伝え・行動する」ことを目指している市民の集いです。

当会は、1993年に末期がん患者とその家族を支える「あすなろ会」として発足しました。そして、1998(平成10)年7月より「びんご・生と死を考える会」と名称を変更し、現在に至っています。

活動の柱となっているのは3つ。1つ目は、集まり・語り合うなかで気持ちを分かち合ったり、学習したりする「ピア(仲間、同じ立場の人という意味)活動による支援」。2つ目は、患者と家族を中心としたチーム医療で、自分らしい人生の完結を支援する「ホスピス運動」。そして3つ目は、誰もが必ず迎える死について考えることで自分らしい生き方を学ぶ「死への準備教育」です。

主な活動内容は、毎月第2土曜日、同じ立場の人がさまざまなことについて話し合う「あすなろ会」や、大切な人を亡くした体験を話し合う「ひまわりの会」などを催しています。

その他、がん・医療問題・ホスピス・ホスピスボランティア・死生観・死への準備教育などに関するさまざまな講演会を行っています。

また、患者さんと家族を中心としたケアを行うホスピス活動を支援するため、次のような活動をしています。(1)ホスピス基金の運営、(2)ホスピスボランティア養成講座の開催、(3)ホスピスボランティアです。

今後も、当会は「生きることの意味」を探る場をつくっていきたいと思っています。 (2007年07月号)


びんご・生と死を考える会
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スーテントの早期承認を求めて
■GIST患者の会

写真:世話人・西舘澄人さん
スーテントの承認のために情報を集めている世話人・西舘澄人さん

2006年12月25日、製造元のファイザーより、消化管間質腫瘍(GIST)と腎細胞がんを適応とした「スーテント(一般名スニチニブ)」という新薬の承認申請書が、厚生労働省へ提出されました。

日本でのGIST治療薬としては、2003年7月にグリベック(一般名メシル酸イマチニブ)という分子標的薬が承認されておりますが、4割程の患者さんは、2年以内にこの薬に耐性となることが指摘されており、早急な対応が必要とされてきました。

そのようなわけで私たち「GIST患者」とその家族は、2004年のASCO(米国臨床腫瘍学会)でグリベック耐性GISTに対するスーテントの有効性が報告されて以来、日本での承認を待ち望んできました。

スーテントの国内での治験開始は2005年の夏頃でしたが、この年の8月にはアメリカでスーテントの承認申請が出され、翌年1月には承認されています。

そこで私たち日本の患者さんとその家族も、スーテントの早期承認を求め12万余りの署名とともに、厚生労働省へ要望書を提出することにいたしました。この件については、すでに未承認薬使用検討会議などで「早期に承認されるべき」との結論も出ており、何も署名まで集めなくても……と思われるかもしれませんが、グリベックでは腫瘍の縮小までは望めるものの治癒までは期待できず、しかも耐性になると次の治療法がないという状態が、もう3年以上続いているのです。 この署名活動が功を奏し、1日も早くスーテントが承認されることを願います。 (2007年07月号)


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